Vol.7 Benjamin Reid (Nesta)
Outline
Vol.7は、英国国立科学・技術・芸術基金のNesta (National Endowment for Science Technology and Arts)にて、国際開発部門のリード(Head of International Innovation)を務めるBenjamin Reid氏とディスカッションを行いました。
Topics
・Nestaの新たな2030年ミッション(2021年3月発表)について
・日本企業や自治体との協業可能性について
Note
わたしが DIY Toolkit (2014年Nesta発行)の日本語/韓国語翻訳を担当している背景から、Nestaと日本との協業可能性についてBenjamin氏と議論する運びとなった。加えて、ちょうどNestaが大幅なミッションを改定をしたこともあり、今後の展望についても話を聞いた。
印象的だったのは改定されたNestaのミッション。これまではグローバルなイノベーションの加速に注力していた印象から翻って、以下の英国国内社会課題の解決にフォーカスするスタンスが強まった。
1.Fairer Start(公平なスタート) 2. Healthy life(健康な生活) 3. Sustainable future(持続的な未来)
「人種差別」の問題、「肥満」をはじめとする人々のウェルビーング、それから「環境」問題。先日、”ブロークンブリテン”という言葉が使われ始めたのは2007年のということがわかった。保守党政権となった2010年以降、改善されてきた?ものの残るor新たに浮上してきた問題にフォーカスしている印象。Brexitの背景と合わせて見るに、まずは自分たちの国の未解決の問題をしっかり解決しましょう、そんな姿勢からのミッション改定か。Brexitもあいまって、国内課題を優先するミッション改定になるほどなぁと膝を打った。基金の財源は英国政府であるゆえ、自然なこと。
Nestaの活動の大元は90年代後半NewLabourの労働党政権下での”文化芸術”関連の支援。2010年以降、それは”テック&イノベーション”へ主領域を移し。そして今回、 Fair / Health / Sustainabie のキーワードへ。大胆にも、2030年までの10年間で取り組むことを高らかに宣言した英国Nestaのミッション改定に、グローバル社会が目線を向ける社会課題を見た。
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