Vol.5 Sunghwan Choi (CJE)
Outline
Vol.5は、ソウルのCJ Entertainment(CJエンタテインメント)社でディレクター兼プロデューサーを務める Sunghwan Choi(チェ・ソンファン)氏と、トランスナショナル(”国”を超えた)な制作チームづくりについてディスカッションをしました。
Topics
・Sunghwan(ソンファン)氏の最新作・KIA自動車のドキュメンタリー企画について
・東アジア圏での共同制作チームづくりについて
Note
ソンファン氏との出会いは、Hanhwaグループの金融サービス”Lifeplus”のプロモーション企画の時のこと。わたしはソンファン氏からの依頼で、デザイナーの原研哉さんへの日本語でのインタビューを担当しました。当時、ソンファン氏が脚本からプロデュースまで一貫して手がけているのを見て彼の制作スタイルに共感して以来、時おり連絡を取り合っている。
コロナ禍でスケジュールが難航しているものの、最新の作品はKIA自動車のドキュメンタリー企画とのこと。企業のプロモーションにしてはだいぶ珍しい(日本の広告業界にいた自分からすると)毛色の作品で、KIAのプレミアムなブランドステータスを表現するために ”第一線で活躍する各業界のスターたちの仕事ぶりを追う” というもの。
第1作目の被写体からエッジがきいている。ドキュメンタリー作家のキムドンウさん。日本統治下の朝鮮半島で抗日運動を展開していた人たち(終戦前に)を、取材するドキュメンタリー作家。
政治色の強い被写体が、大手自動車広告キャンペーン企画に採用されるところに新鮮さを感じました。
残念ながら韓国語でしか見れませんが、雰囲気だけでも感じ取って見てください。
続いて2作目。絵本界のノーベル賞と呼び声の高い、アストリッド・リンドグレーン文学賞を2020年に受賞した絵本作家のベク・ヒナさん。
わたしの息子も、著者の絵本を愛読しています。
韓国のクリエーティブシーン(映像)の話を聞くにつけ、日本と韓国の双方で足りないものを補い合う、そんな仕事の仕方ができるのでは?なんて話が盛り上がった。
韓国の作家やプロデュース陣営は、国際市場における日本作品の高評価を賞賛している。一方、(わたしの感覚では)日本の作家やプロデュース陣営は韓国のグローバルマーケティング力を高く評価している人が多い。なんだかこの相思相愛な部分?が滑稽ではあるのだけど、両国が一緒にものをつくる機会をつくれたらよいな・・そんなことを思う会話が続いた。
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